経験を問わず注意を払いたい接遇の重要性

利用者の身体的なケアだけでなく、心のケアも重要な介護の現場。そのためには、利用者に対する言葉遣いや態度など、日頃の接遇に注意を払う必要があります。これは、新人介護職かベテラン介護職かといった経験の有無に関わらず、介護職として働く上で常に心がけなければならないことです。

優しい言葉遣いや笑顔は、利用者に安心感や信頼感を与え、心の距離を縮めるためにも大切です。しかし、それ以上に気を付けなければならないのは、利用者の人格を尊重し、対等な関係を築くという意識を持つことです。

例えば、利用者を子ども扱いするような言葉遣いは避け、「〜しましょうね」「〜しなさい」ではなく、「〜されますか」「〜されますか」と、相手は立派な大人ということを忘れずに敬意を込めた言葉遣いを心がける必要があります。また、利用者の話を遮らず、最後まで丁寧に聞き、相槌を打ちながら理解を示すことも大切です。

もちろん、介護の現場では時間に追われて余裕がなくなり、ついつい事務的な口調になったり、厳しい言葉を発してしまったりすることもあるかもしれません。しかし、そのような時こそ一度立ち止まり、利用者の気持ちを考えることが大切です。

ベテラン介護職であれば、経験からくる余裕があり、利用者に対しても、適切な距離感を保ちながら、心のこもった対応ができるようになるでしょう。しかし、それは決して馴れ合いや過剰なサービスを意味するものではありません。あくまでも、プロとして、利用者の人生経験や価値観を尊重し、寄り添う姿勢が大切です。